『協う』2010年4月号 No.118
特集
「おひとりさま」と「買い物難民」
日本の法律上、 生協の正式名称は 「消費生活協同組合」 ということになっている。 協同の力で消費生活を豊かなものにするのが、 生協における事業と運動の使命だということだろう。各種調査結果を見ても、 安心・安全な食品の提供と並んで組合員からの要求が強いのは、 買いものを便利にする生協であって欲しいという願いである。共同購入という配送システムの導入も、 その共同購入から個配へのシフトも、 そしてまた店舗の大型化も、 そうした声に応える政策の一部だったはずである。
しかし今、 消費生活における不便を訴える消費者の声は、 かつてとは質的にも量的にも異なる段階に来ているように思われる。 大きな店をつくっただけでは不便が解消されない人々がいる。 山間部のみならず、 大都会の中心にも、 買いものする場がないと訴える人々がいる。 そしてまた、たとえものを手にいれることができても、 それをどう扱えば (調理等すれば) いいのか、 わからないという人々がいる。
「買いもの難民」 と 「おひとりさま」 の時代、 生協に寄せられる期待はとてつもなく大きい。
「コミュニティの持続的発展」 (協同組合原則) を掲げる生協は、 その期待に、 どう応えようというのだろうか。
特集 「おひとりさま」と「買物難民」 |
特集 |
生協における買い物支援の取り組みについて 都市部の住民の生活を支える—共同購入を通じた支えあい— 中山間地の住民の生活を支える—豪雪地帯・コープぎふを事例に— 「協う」 場としての商店街と 「商店街再生を考える」 |
探訪くらしとコミュニティ | 集落生協を支えるコミュニティ—高知県津野町床鍋集落にある 「森の巣箱」 から— 片上 敏喜 (京都府立大学大学院 農学研究科 博士後期課程) |
|
書評 |
松田久一著『「嫌消費」 世代の研究』 |
|
矢作弘著『「都市縮小」 時代』 |
||
視角 |
地方デパートの撤退と地域文化を考える |
|
連載 | 生協のひと・生協のモノ |
おひとり様に受け入れられる夕食宅配事業〜コープやまぐちを事例に〜 |
私の研究紹介 | 第19回 北島健一さん |