12月3日(火)食の懇話会を開催しました

12/3(火)、自主研究会「食の懇話会」(第28回)を開催しました。今回の内容は次の通りです。

1、研究所20年、食と農の議論をふり返るの3回目、『協う』(かなう)掲載の論文から2000年代前半をみてみると食の安全・安心(雪印牛乳、食肉偽装、EU狂牛病など)をめぐるさまざまな問題発生を受けて、食と農をめぐっての記事が増えている。その他、農政改革、農協問題などについて北川太一座長からコメントをいただいた。

 

2、「ベトナム中部における食の安全に配慮した農業の展開」と題して青木美沙さんがベトナム調査をもとに以下の趣旨で報告(抜粋)をいただいた。

・1986年のドイモイ政策以降市場経済化が図られ,農薬や化学肥料を大量に投入する近代的農業の導入により農業生産が増大した.
・一方で農村部では農薬利用による健康被害が発生し,都市部でも食中毒等の食品事故が増加する傾向にあり,2000年以降食の安全性に対する関心が急激に高まっている(Hoang&Nakayasu2006).
・こうした中,大都市(ハノイ市及びホーチミン市)周辺の農村では,政府主導で導入を進めるVietGAP(ベトナム版農業生産工程管理)基準に従った農業生産が増加しているが,生産コストが通常の栽培方法より大きくなること,認証制度の認知が進まないこと,販路を築けていないことなど生産面および流通面での問題が指摘されている(石田2006,農林水産省2010).
・一部の地域では,販路開拓や観光資源化により,農産物の高付加価値化と安全性向上を実現している地域も見られる.ベトナム中部もこのような地域であるが,この地域に着目した研究はほとんどない.

 

3、次回は、ディスカッションペーパー発行にむけて、各自の論文掲載するテーマと趣旨を準備することを確認して終了した。