1998年10月号
コラム
最近、 アメリカ人ギタリストとEメールを交換するようになった。
彼によれば、 主流の追従ではなく自己の探求を通して対象が現れ、
そこに独創性が芽ばえるという。
組織に組みこまれずにすむ人とはいえ、 本場の激しい商業主義のなかで生き残り、
なお己を貫き通すのは容易なことではない。 創造への情熱を持続させるのは、
自分自身への深い愛情とそこに息づく音楽の革新性だろう。
脅迫的な時代のなかにあって、 多彩な情景描写、
独特の情感や思弁性の表現を究める姿は魅力的だ。
(TGJ)