『協う』2006年10月号 エッセイ


愛知における新しいまちづくりの実践から

めいきん生協
理事長 寺本 康美


 「みんなちがって、みんな大切」との基本理念を共にするめいきん生協と南医療生協が、名古屋市南部の緑区大高町で、協同して新しいまちづくりの取組みを地元住民のみなさんと一緒にスタートさせました。この地域は二〇〇七年秋にめいきん生協のSM店をオープンさせるところであり、二〇〇八年には南医療生協が新病院を建設するところです。また、同じ二〇〇八年には隣接地にイオンが愛知県内最大のショッピングセンターをオープンする予定になっており、あわせてJR新駅もでき、まちの様相が大きく変化をしていく地域でもあります。この地域には、めいきん生協の組合員はまだ二千人ほどですが、南医療生協の組合員は六千人もおり、双方とも新しい施設のオープンにむけて組合員を大きく増やそうと努力しているところです。
 こういう状況のもとで、地域での健康で安心できるくらしづくりをサポートする役割をもつ二つの生協が協力・協同することで、地域へのお役立ち度を相乗的に高めることができるのではないかと、相談しています。南医療生協では「市民の協同でつくる健康なまちづくり支援病院」を基本テーマにトータルでいろんな人が生きることを応援でき、まちづくりに貢献でき、社会貢献ができる病院建設運動をすすめようとされており、めいきん生協では、食と健康をテーマに、様々な生活サポートのネットワークの結び目ともなるような店舗づくりをめざしています。それぞれが「医療」「食」を中心に幅広い「くらし・協同」の取組みを展開しつつあり、これを結ぶことによってくらしの大部分につながる事業・活動のネットワークを広げていけるのではないかと考えています。
 地元では、イオンとJR新駅を中心にしたまちづくりと区画整理がすすめられている経過がありますが、私たちは、〝それだけで本当に安心してくらせるまちができるのでしょうか?〟と問いかけもしながら、住民のみなさんが結び合って新しいくらしを創造していくお手伝いをすすめていきたいと、相談しあっているこの頃です。