『協う』2005年10月号 特集
生活協同組合と福祉
~生協・NPO・社会福祉法人の実践から~
座 談 会
介護保険制度がスタートしてから5年が経過し、制度の見直しも行なわれています。協同組合をはじめ非営利・協同のグループもさまざまな高齢者福祉の事業や活動を展開してきています。今回は、生活協同組合が軸となって取り組んでいる高齢者福祉の事業や活動について、現場で活躍しておられる皆さんから、その問題意識や今、直面している課題について、語っていただきました。
出席者とプロフィール
・山田 満代 さん (NPO「友・遊」事務局長)・・・大阪の生協で理事を16年間経験した後、現職。95年の阪神淡路大震災のときに、地元(大阪市此花区)の仮設住宅でボランティア事務局を経験。
・大國 康夫 さん (特別養護老人ホーム「あすなら苑」苑長)・・・ならコープに24年間在籍したのち、社会福祉法人を設立するため生協を退職。施設長として6年め。ならコープの「助け合いの会」の立ち上げにも関わった。
・大角 尚子 さん (京都生協福祉事業部・北事業所所長、サービス提供管理者)・・・'82年入協。店舗や共済などを経て、98年から介護事業の立上げに関わる。今春、ケアマネージャー資格取得。
・藤原 壮介 さん (立命館大学名誉教授)・・・居住の城陽市で社協(社会福祉協議会)の活動に長く参加。洛南生協(現京都生協)の設立時の理事長。
・上掛 利博 さん (司会・京都府立大学福祉社会学部教授)・・・当研究所「生協と福祉研究会」の代表。『協う』編集長。
【上掛】(京都府立大学教授)
くらしと協同の研究所では、2000年6月に、生協が福祉にかかわる必要性を検討した福祉プロジェクト報告書『介護保険を超えて、質の高い福祉を創る』を発行しています。その中で、私は「福祉が�T公�U的なものであるということは、必ずしも�T官�Uがやらなければならないことを意味しない。…少子高齢化社会を迎えて、これまでにも増して、�T公的�Uになってきた福祉のニーズに対し、地域の住民が�T協同�Uで取り組むことの今日的な意味が問われている」と述べました。また、「もし住民参加型の地域福祉の積極面を活かしきれないなら、営利を目的としない生協の福祉活動といえども、営利優先の形態に限りなく近づきかねない」と警鐘も鳴らしています。
いま福祉の現場は、政府が自己責任を強調して福祉の優先順位を引き下げているために、さまざまな困難に直面しており、協同でとりくんでいる福祉現場も例外ではありません。今日はそうした問題も出し合いながら、この間の取り組みの特徴や問題意識をお話いただきたいと思います。
■ 取り組みと問題意識
【山田】(NPO「友・遊」事務局長)
事業活動の中心は、デイサービス(通所介護)と考えていますが、デイがスタートしてまだ1年足らずということもあって、まだまだ利用者が少ない状況です。一方、地域ニーズもあって、広がっている事業は配食サービスです。この配食はもともとパルコープで6年間、組合員活動として行ってきた経過がありますが、NPOでは、事業の継続性や採算性も検討し、生活支援事業として行うようになりました。行政の補助金切り下げも重なって「友・遊」への依頼も増え、年間で約1万食になる見込みです。しかし採算的には、まだ赤字ということです。ふれあいサロンは介護保険とは関係なく、比較的お元気な近所の高齢の方々が集まって、参加者自身も運営に参加しながらやっています。
ところで、福祉という言葉のとらえ方についてですが、昔は福祉=「貧しい人に施こす」というイメージがありましたが、今はそうではないと思います。「友・遊」のボランティアさんの中でも、「ベンツのある家にまで、配食するのはどうか?」という議論があったのですが、配食があることで、若夫婦がたまには2人で映画に行くとかもできる、ということでやっています。
【大國】(社会福祉法人「あすなら苑」苑長)
介護保険制度がスタートする直前の1999年、あすなら苑設立に際しては、ならコープの組合員をはじめとする多くの方々からの寄付金で設立することができました。スタートして7年目になりますが、その中での問題意識を話したいと思います。
介護保険制度の実施から5年が経つのですが、生協陣営の福祉事業の立ち遅れをどう回復するのかが一つです。もう一つは、女性の持っているパワーを活かしきれていない問題をどう克服するかです。
具体的には、民間企業や社会福祉法人が将来を見すえた手を着々と打っているのに対して、事業提供者としての生協陣営の立ち遅れは目立つと思います。生協の福祉事業は「手づくり」といえば聞こえは良いのですが、利用者の立場からは現実には利用しにくいという実態があるからです。生協では「○○のサービスがない」とか「サービスを利用できる施設が大和郡山にしかない」ということで、利用しづらいというのが率直な利用者の声です。
さらに、私たちは社会福祉法人として独立したのはいいのですが、生協のように出資金制度がありません。投資のための資金は、自らで生み出した剰余だけなので、いまはそれがなかなか確保できず、将来展望が描けないのが悩みです。その点で、生協とどういう関係を持つのかが検討課題だと考えています。また、いま生協間で供給事業の連帯が進んでいますが、福祉の点でも連帯を進める必要があるのではないかと思います。
また「地域に根ざす生協」ということをよく聞きますが、現実には地域で生協の存在感がなかなか見えないのです。奈良県でも大和郡山市を除けば、生協が福祉をやっているなんて知られていないのが本当のところで、「生協の組織率が高い」=「地域に根ざしている」とはいえない実態です。食の分野では、生協組織の規模が大きな役割を発揮してきましたが、福祉の分野でも、地域に根ざすことの意味やその内容を問うことが必要と思います。
【大角】(京都生協福祉事業部、サービス提供管理者)
長く京都生協を利用されて来られた方から、「生協のヘルパーさんに来てもらいたい。生協やったら安心やしね」とお電話いただいたりすると、共同購入や店舗で築いてきた信頼の上に介護事業があることを実感し、ぜひお役に立ちたいと感じます。しかし、現場ではヘルパー不足が深刻で、希望があっても十分応えられていないという残念な実態です。ヘルパー募集はしても、利用拡大の宣伝はしていません。そんな矛盾を感じています。
あと、来年4月から改定される制度内容をはじめ、今後のことを検討するための情報がなかなか入ってこない問題もあります。
■ 地域のニーズの視点から
【上掛】 さまざまな問題意識とともにいろいろな悩みも出されました。そこで次に、地域のニーズからみて、生協に何が求められているかという視点からご意見を出していただけますでしょうか。
【大角】 ニーズでいえば、「住み慣れた地域で安心して暮らし続ける」ことを支える役割があると思っています。在宅介護を支える視点から、生協としても訪問介護事業の次にデイサービスやショートステイが求められていると感じています。しかし、京都市内部では地代家賃が高いことや競合が多く採算が厳しいと聞く中で、あえて施設などに投資してやるべきかどうか慎重に検討すべきかと思います。
一方で訪問介護は、利用者宅へこちらからお伺いするので、極端な話ですが事務所さえあれば、どの地域でも展開できる事業です。その地域のヘルパーさんの力を発揮していただき、どこに住んでいても、商品利用の延長線上に「生協で介護も」という期待に応えられたらと思います。
【山田】 実際にNPOというかたちでやって思うことは、配食サービスは生協本体の事業としては、ちょっと無理かなと思っています。というのは、地域のボランティア(組合員でない方や定年退職した男性の方もいる)に支えられているからこそできる、ということがあるからです。お弁当屋さんのように配達をするだけのやり方は簡単で効率的だけど、現場ではコミュニケーションをとりながら安否確認をしていくようなことが求められており、その点で本体での事業化は難しいと思います。
何でも生協でという発想ではなく、まず地域のニーズに対してどのように対応すべきか、それは生協による対応がいいのか、別の方法がいいのか考える必要があります。生協がやらない場合も、生協がコーディネイトの役割を果たす、ということも考えられます。NPOやコミュニティービジネスをやっている人たちと交流すると、こういった点を感じることがよくあります。
【大國】 私も生協職員でしたから、最初は、生協組合員のパワーや生協の持っている資源を活かしてやってみようと発想していました。でも実際にやってみると、利用者のニーズとは異なっていました。訪問介護だけで、高齢者介護は絶対終わらないということに私たちは気づくことが必要ではないでしょうか。訪問介護は、投資が要らなくて気軽にできて、組合員パワーも活かせる(私もそう思っていろいろやってみましたが…)といった発想では、社会からとり残されると思います。家族も含め、高齢者介護で本当に困っている方々のニーズは何なのかをつきつめてよく考えることが、今の生協陣営に求められているのではないでしょうか。
■ 「くらしの協同」から見直す
【上掛】 利用者のニーズを出発点に置くということが基本ですね。次に、生活協同組合は、消費(購買)の協同という点では大きな役割を果たしてきましたが、生活の協同という視点からみると、まだまだ可能性が広がるように思います。現実問題として、高齢者ばかりの班になって荷受けも困難になる事例も聞いていますが、ここにも�T班�Uをもつ生協の固有の可能性があるのではないでしょうか。経済的な貧困も大きな問題ですが、「孤立化」や「社会的な排除」という新たな問題から、生協の位置や役割についてどのようにお考えでしょうか。
【山田】 「友・遊」のセンターは、コンビニや喫茶店、美容室もないような住宅地にあるのですが、地域のコミュニティーセンターのような役割も果たすようになってきました。地域の方々も建物ができるときは「何ができるのですか?」と心配そうでいたが、今では高齢者の方だけでなく、子どもたちが�T道を尋ねにきたり、トイレを借りにこられたり、コピーを借りにくる�Uといった状態です。こうしたことをきっかけに、活動内容をオープンにして地域の人たちに見てもらえればいいと考えています。
それから、地域住民の関心事アンケートで、地域400世帯中の160世帯の方が「独居老人の対策」をあげられていたので、まだまだ地域への役立ちは可能だと思っています。
【藤原】(立命館大学
名誉教授)
テレビで紹介された実例で、90歳の方が遠くへ買物に出かけることを可能としているのは、あちこちに途中で休めるような場所があるからだというコメントがされていました。だから生協だけでなく、気軽に立ち寄れる場所があることがいいですね。生活の協同をつくる、孤立をなくすという課題は大切ですが、「組織する」とか「集める」ではなくて、「そこへ行くのが楽しいから、役に立つから立ち寄る」といった場として存在することが大事ですね。
■ おたがいさまの精神で
【上掛】 生協のたすけあい活動は、お互いに対等平等、おたいがいさまの関係を大事にしていますね。だから、一方的に助けられるだけではなく、「役割の転換」ということで、援助を受ける人が逆に自ら役割を果たすことができるような場があるといいです。「友・遊」や「あすなら苑」ではどうでしょうか。
【山田】 週1回行っている「ふれあいサロン」でも、利用者が時にボランティアになったりしています。また、生協の組合員であるか否か、介護保険の対象者であるか否かを抜きにして、その中で高齢者の方々が私たち事務局に頼らず、自らが運営者になるなど、混ざり合うなかでイキイキされているのをみて驚かされています。
【大國】 この秋にオープンするデイホームは、町の真中にできるので、いろいろな人が立ち寄ってくれるようになると良いなと期待しています。ただ、そこでも「地域や利用者にとって役に立つこと」だけでなく、「事業的に継続できること」の両方が大事だと思います。
■ 事業が成立つために
【上掛】 大國さんから話がありました、事業の継続性や生協の福祉分野での連帯の問題についてはいかがでしょうか。また、情報化社会でありながら欲しい情報が入ってこない、という現状で、連帯の意味は大きいように思いますが、いかがでしょうか。
【大角】 生協間の連帯で情報交換しあえることは、介護事業立ち上げ時からずっとありがたいことだと思っていました。以前は定期的な�T場�Uはありませんでしたが、最近ようやく関西地連が中心になって動き始めています。現場の担当者間の情報交換もぜひやりたいと思います。
介護事業の経営数値でいえば、儲けるまではいかなくても、サービスの質の向上、安定継続のためにも赤字からの脱却は必要です。一方では、数値だけ見るのではなく、生協の理念を踏まえた介護事業や職員のありたい姿について、職員間でじっくり思いの共有をしたいと思っています。でも、事業効率との関係では、直面している課題以上のことを語り合う時間が作れないことに葛藤があります。
また、質の高いサービス提供をするためには、ヘルパーの安定した雇用関係のなかで、研修の機会を保障できるような労働環境を作っていきたいと思います。しかし、サービス単価が低くその費用の捻出が大変なのが実態です。訪問介護の評価の向上と介護報酬の単価アップは切実です。
【大國】 奈良では、JA組織などが技術研修で「あすなら苑」をよく使っていただいています。意外と生協陣営は研修には使われません。生協でも、わたしたち社会福祉法人が蓄積した技術をうまく利用してもらえたらと思いますし、お互いが持っている資源を有効利用しあうことが大切ではないでしょうか。
日生協のビジョンでは「福祉事業は、第3の事業」という位置付けをして、「訪問介護は、採算が合うように月に2000時間やって黒字化へ」といっていますが、来年4月からの介護保険制度の改定で、ますます無理になります。その意味で、従来型の「がんばり論」ではだめだと思いますね。
それから「生協がデイサービスをするとなぜ赤字になるか?」という議論もなされています。事業ですから継続性が本当に大事です。赤字の主な原因は人件費構造が違うからですが、生協は社会貢献としてやるから赤字でも仕方ないみないな発想があるのではないかと思います。その点、私たち社会福祉法人は、収入のある分しか使えません。
【藤原】 生協の介護保険事業は事業的に継続可能なのか、その検討具合や今後の展望はどうなのでしょうか?
【大國】 大多数の住民・利用者の知らない間に、制度改定がなされていることに憤りを感じています。この前の国会では「郵政だ!」と騒ぎながら、介護保険の制度改定法案を通過させています。この10月から介護保険料(行政から事業主へ支払われるもの)自体が減額実施されま(例えば、介護4の身体介護保険料が8890円が8710円に、デイサービスの食事補助390円が0円に)。その影響であすなら苑で言えば、今わかっているだけで年間1200万円の減収になります。
そして来年4月からは、生協の介護保険事業に大きく関わる「在宅サービス」部門で、介護予防が実施されます。〈本誌p16「視角」を参照〉そうしたことを考えると、生協の介護保険事業は、より厳しくなると思います。
■ 人づくりがベース
【上掛】 いま話されたようなことを考えると日本の社会全体が「考えさせない」状況に追い込まれている、という気がしています。ふつうの人がわかりにくい制度や用語がたくさんある中で、ものごとがすすめられている現状があるので、私たち一人ひとりが「わからないことはわからない」と発信していく必要性を痛感しています。
次に、女性のパワーが活かしきれていないのではないかという問題提起についてです。広く人材と言う点では、団塊世代の男性の力も含めて、地域で活かすためのアイディアについてはいかがでしょうか。
【山田】 今の私は、損益計算書をつくったり、年度内の資金繰りをどうするかなども考える立場にいます。自分が選んだということもあって、生協に力を借りたいと頭を下げたりもしています。それができるように育ててくれたのが生協だと思います。
【大國】 1970年代に団塊世代の女性が中心となって、安全・安心な食生活をつくりたいという願いから、多くの地域生協が誕生し、発展してきました。いま、この女性たちが中心になって「高齢者福祉」の事業組織ができるのではないかと思います。その意味で、私は基礎となる団塊の世代が、事業参加できる「場づくり」が大切だと思います。
もう一つ、事業展開するときに「投資が大変だ」と言われる土地や施設のことです。これからの時代は、高齢者世帯の方などに生協が問いかけをすれば、「私の家をデイに使ってください。その代わり私を面倒みてね」という人が出てくるのではないかと思ったりしています。
【上掛】 いろいろな可能性を出していただきました。最後に、皆さんから抱負や夢を語っていただきたいと思います。
■ 自分の居場所を
【山田】 自分が歳をとった時、自分の居場所を自分で決めたいと思います。明るく清潔で、そこにいることが楽しいような自分の居場所を見つけたい。多くの人にそういう場所を提供できたらすばらしいなぁと思っています。
福祉のところでは経営効率ということはなかなか難しいことです。場合によっては、「非効率」なほうがいいこともあります。人にやさしく、ていねいなことができるような場所を作りたいと思っています。
■ 生協の良さを活かしながら
【大國】 自分たちは、日本で一番小さい社会福祉法人であることを自覚してやりたいと思います。今の実力が低い結果だと思います。また保育の分野や障害者のことも含めて、トータルな福祉を研究して、そのことを組合員と一緒にやっていきたいと考えています。
生協の良さは、女性のパワーと連帯ですから、もっと生協どうしが連絡をとり合い経営状況も明け透けに出して論議し合いながら、技術が足らなければ私たちも使ってもらいたいです。こういうことをやっていけば、いろいろな可能性は出てくると思います。研究者の方々からの応援もいただきたいと思います。
■ 人が主体的に生きている場づくり
【大角】 今、ICF(国際生活機能分類)の考え方への切換えと、自立支援に向けたケアプランの作成が求められています。利用者のできなくなったことへの着目ではなく、持っている力への着目、単に残存能力という意味でなく、ずっとやってきた自分への自信やその人らしい役割を介護の目標に据えることです。そうした、利用者が自己決定し主体的に生きていけるような生き方に、関われることを喜びにできるような生協の福祉事業をめざしたいと思います。
【藤原】 生協にはこれまでの活動で培ってきた信頼がありますから、その道すじさえ工夫できれば、女性の元気さをこれまでうらやましく思ってきた男性たちから「手伝ってもいい」「自分でもやろう」と考える人が、もっともっと増えるのではないでしょうか。
これからの福祉事業も難しい問題が出てきます。投資のこともそうです。いまやっている人が勉強することも大事ですが、生協という「組織」の役割も大きいと思います。ロビー活動も含めて、情報を集め、整理し発信していかないと事業の継続は難しい時代ですし、意識的に取り組めば、その力を生協は持っていると思います。
【上掛】 ありがとうございました。
「福祉とは何か」を考える場合に、�@「相手の立場にたって考えることができる」ということが重要ではないか、�A単に援助するだけではなく「相手の生きる力や意欲を引き出すような援助」ができるかどうか大切だ、�B「自分が歳をとったらどうなるのか」ということから未来を考えて、今の社会を見つめ、人間的な社会につくり変えることが必要だと思います。
今日の皆さんの話しを振り返ってみると、地域の福祉ニーズとのかかわりで「多様性」という問題が浮かび上がってきたと思います。すなわち、当事者の参加など老若男女を交えた多様な視点からの「まちづくり」が大切だということです。さらには、トータルで福祉を考える、つまりライフサイクル全体の視点から地域社会をつくることが大切です。
今の社会から問われていることに対して、生協や社会福祉法人やNPOが関わって、組織や活動の形態が違っていても、人間が幸せに向かっていく方向性についての�T思い�Uが共有されていれば、暮らしやすい社会がつくれるのではないかと思います。そんな思いが理解できる「人づくり」というのが、福祉の背後に不可欠になるということを強く思いました。
=出席者の所属組織の概要=
◆「友・遊」・・・大阪府寝屋川市に2003年11月(おおさかパルコープの福祉政策の一環として)組合員有志などで設立した特定非営利活動法人(NPO)。年間事業高は約400万円。会員は200名強。主な事業は、配食サービス〈4回、約200食/週〉と通所介護(デイサービス)〈約12名/週〉。「ふれあいサロン」も無償ボランティア活動として取り組む。
◆「あすなら苑」・・・奈良県大和郡山市に1999年9月(ならコープの福祉政策の一環として)社会福祉法人を設立してスタートした特別養護老人ホーム。年間事業高は約4.3億。特養54床。短期入所(ショートステイ)16床。デイサービス〈約250人/週〉。その他、訪問介護、配食、居宅介護支援事業など。今秋デイサービスセンター「あすならホーム菜畑なばた」を生駒市に開設予定。
◆京都生協福祉事業部・・・1999年7月に訪問介護事業(独自)を開始し、2000年からは介護保険事業開始。実施事業は、居宅介護支援事業、訪問介護事業、福祉用具貸与事業など。事業所は、京都市北区・中京区・右京区、福知山市の4ヶ所。訪問介護の04年度延べ実績約96000時間。ヘルパー数約340人。職員44人。ヘルパー養成講座は98年より637人修了。組合員活動の「くらしの助け合いの会」(86年より)は04年活動実績15000時間。