『協う』2002年12月号 エッセイ
IT機器との戦い
コープおきなわ
専務理事上仮屋貞美
携帯電話を持たされたのは何年前だったろうか。 そんなに昔のことではなかったような気がする。 携帯電話が普及し始めても、 私はかなりの期間それを持つことを拒否していた。
二四時間仕事に縛り付けられたくなかったからである。
二ヶ月前に電器店に行ってソニーのモバイル電子手帳を買った。 これまでいくつも買っては一ヶ月も使わずに机の奥にしまい込んでいるのに、 新しい機種の広告を見ていると
「今度こそは使いこなすぞ」 といつもの腹の虫が起きてきて、 買ってしまうのである。 しかたのない性分だ。 五万円もするのだから、 決して安い買い物ではないのに…。
今のところ、 スケジュール、 To-Do、 メモの機能を使っている。 パソコンとのリンクが簡単にできるので便利だし、 大きさや使いやすさも気に入っている。
パソコンは三台を使い分けている。 一台は生協の事務所、 これがメインのパソコンだ。 家に一台、 これはISDNで生協のサーバーにつながっている。 従って生協のアドレスに来たメールも自宅で読めるし、
発信もできる。 また生協内のネットワークであるノーツにも自宅でアクセスできるので、 店舗の日報や掲示板を見ることも自由にできる。 生協にいるときとまったく同じ仕事が自宅でもできるのだ。
もう一台はブック型のモバイルパソコン。 1kgを切るものをと探し回ってビクターの最新型を購入した。 こちらはPHSの電波で生協のサーバーにつなげて、 自宅のパソコンと同じくメールやノーツに自由にアクセスできる。
出張のとき持ち歩いているが、 1kgではまだまだ重いと感じている。
このようにして私のIT機器での仕事環境は完全に整ったのである。 それで仕事は…?
携帯電話、 これはもう手放せなくなった。 持っていないと却って不安になるくらいだ。 電子手帳もいい。 使い方次第ではとても役にたつ。 自宅のパソコン、
これも重宝している。 事務所にいるとじゃまがはいって仕事ができないとき、 集中して仕事をしたいときは、 私は自宅のパソコンで仕事をする。 モバイルパソコン、
これは出張に持って行くのには便利なんだが、 どうも良くない。 自分でパソコンを持って歩いていながら、 いつも仕事に追いまくられている感じが抜けないのだ。
肩の重さよりもこの方がつらい。 空港のラウンジにはいるとサラリーマンがずらりとパソコンに向かっている。 彼らはいつ仕事から解放されるのだろうかと思いながら、
パソコンを広げる私。
新し好きな私であるが、 IT機器、 モバイル機器との戦いはこれからも続く。