1998年8月号
人モノ地域2
くらしと協同の研究所 第Ⅱ期始まる
研究体制を 「くらし」 と 「協同」 の2部門に
新理事長 野村秀和 新所長 井上英之
新副所長 浜岡政好・川口清史
くらしと協同の研究所の第6回総会は去る6月20日
(土) の午後、 コープ・イン京都で開催された。
会員247 (個人212、 団体35) のうち、 委任状を含めて156の出席の下、
1997年度活動報告、 決算報告、 1998年度活動計画、
予算が提案、 審議され、 滞りなく可決された。
研究計画としては、 「生協運動の現状分析プロジェクト」
(代表野村秀和)、 「組合員調査プロジェクト」
(代表浜岡政好)、 「福祉プロジェクト」 (代表川口清史)
の3大プロジェクトを充実させることが中心になる。
福祉プロジェクトは公的介護保険体制下における生協の福祉のあり方について政策提言をめざしている。
さらに月1回のフォーラムにより課題を共有化し、
協同組合運動の21世紀的課題に応える出版の刊行をめざす長期計画が企画されている。
また、 今年度は人事の一新があった。 かねてよりの申し出でにより木原正雄理事長が退任され、
野村秀和所長が新理事長に就任した。 また、 新所長には井上英之
(大阪音楽大学教授・当研究所研究委員会幹事)
さんが就任、 そして新たに副所長を2人おくことになり、
浜岡政好 (佛教大学教授・当研究所研究委員会幹事)
さんと川口清史 (立命館大学教授・当研究所研究委員会幹事)
さんが就任することになった。
研究活動を2部門に分け、 発足時からの懸案でありながら研究活動が手薄であった
「くらし」 の部門の担当は浜岡政好さん、 「協同」
の部門の担当は川口清史さんということに役割を分担し、
井上英之新所長とともに、 トロイカ方式で今後の研究活動を進めることが提案され、
了承された。 また、 野村秀和新理事長はこうしたトロイカのうえに乗り、
今後もさらに活発な研究活動を展開することを明言している。
いまだに法人格がとれないこと、 研究予算はますます縮小されていること、
事務局人員の弱体化などの体制不備のなか、 一方では協同組合の困難な現情勢をふまえ、
客観的な理論的裏付けのある研究成果へのますますの期待が高まっている。
また、 研究所内の人づくりや地域研究会の充実のための支援体制など、
内外からの要請がひときわ高まっているなかで、
発足時からの満5年が過ぎ、 誕生と基盤づくりが終わったとみるべきであろう。
これからの第Ⅱ期に向けて、 研究成果が内外ともに問われることになるのである。
なお、 理事に市吉淳子 (コープしが理事長)
さん、 研究委員に岡田知弘 (京都大学経済学部教授)
さんが、 新しく就任された。
木原先生を囲む会開催
当研究所の理事長を退任された木原正雄さんを囲む京都関係者のつどいが、
当研究所と京都府生活協同組合連合会の共催で7月28日夜
「馳走高月」 で開催された。
木原正雄さんの京都における50年にわたる生協運動を反映して、
つどいに参加した人々から、 その時々にあたって学んだことや忘れられないことが話された。
清貧、 高潔など、 お人柄を表す言葉を誰もが語り、
お世話になったというよりもご迷惑をおかけしたことをも、
大きく受けとめていただいたことを感謝する発言があいついだ。
木原正雄さんは、 いつものとおり背筋を伸ばして正座され、
悠々自適、 読書三昧の日常を語られた。
今後も生協運動やくらしと協同の研究所の活動には自由な立場から関わっていただきたいと希望して、
散会した。